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“髪の美しさへのこだわり”とPRETOWA開発秘話

髪を美しく見せるヘアカラー剤「PRETOWA(プレトワ)」が、ミルボンから誕生。
数多くのヘアカラー剤を世に送り出してきたミルボンが、「いま本気で創りたかった一本」として開発した、新たなヘアカラー剤です。

今回の発売を記念して、FYBマガジンではスペシャル企画をお届けします。
「髪を美しく見せること」をテーマに、専門の異なる二人の研究者が、それぞれの想いを語ります。

最初に、長年「繊維の研究」に携わってきたYさんから、「“髪の美しさ”に向き合い続ける、研究者としての姿勢」。
さらに、プレトワ開発担当のFさんが明かす、「プレトワ誕生までの想いと、そのこだわり」。

2人の専門家と一緒に、“髪を美しく見せる”を、あらためて考えてみませんか?

繊維の研究一筋の研究員が語る、“美しい髪”へのアプローチ

研究員 Yさん

研究者歴25年以上のYさん。そのキャリアは、「繊維」とともにありました。

Yさん 今は「髪」に夢中な僕ですが、僕の研究ルーツは「繊維」なんです。大学時代は羊毛の研究に携わり、卒業後は衣類用繊維の業界でポリエステルやナイロンなどの機能を向上させるような研究に取り組んでいました。その後ミルボンに入社し、毛髪の研究をするようになりました。
羊毛もポリエステルやナイロンも毛髪も、実は全て「繊維」です。繊維は一見同じように見えますが、それぞれ性質が異なり、強さも、水による影響なども異なります。
なかでも毛髪は構造が非常に複雑で、解明の難易度が高い素材です。だからこそ研究し続ける価値があり、テーマが尽きない奥深さがあります。
長年の間、繊維のことばかり考え、「繊維をより良くする」研究に携わってきていますから、ミルボン入社後は自然と「毛髪を美しく見せる。そのためには毛髪をより良い状態に導く」研究に没頭するようになりました。

Yさん 近年特に夢中になって取り組んでいるのが、タンパク質に関する研究です。毛髪という繊維は、80%以上がタンパク質で構成されています。そのため、毛髪内部のタンパク質の状態を良くすることができると、結果として「毛髪がキレイな状態」「毛髪が健やかな状態」になるのではないか?と考えて、研究に取り組むようになりました。この研究は以前から学会発表や論文としても報告を行ってきました。国際的な学術誌にて発表した論文では、ヘアケア技術部門における最優秀論文賞をいただき、こちらで記事化してもらっています。

Yさん 毛髪研究に没頭する毎日ですから、実験台にへばりついている時間は長いのですが、頭の中では常に「自分の研究成果を、将来的にどのように美容室で役立ててもらうか?」を考えています。
私たちの研究テーマは、美容師さんにヒアリングした「現場の声」から生まれています。
時代の流れやトレンドとともにお客さまの髪にどんな変化が起きているのか、それをどう解決するかを考えてテーマ設定をするんです。例えば近年では、美容師さんから「ハイライトやダブルカラー、ヘアアイロンなどの流行で複雑化した髪を美しくしてあげたい」「カラーで髪がバサバサになってしまう状態をどうにかしてあげたい」というお声をよくいただきます。
こうした美容室の課題を学ばせていただき、僕の得意な研究領域で貢献できることはないだろうか?という視点で研究テーマを設定していきます。

僕の得意な研究テーマは「繊維をより良くすること」ですので、これからもこの領域で“髪の美しさ”にアプローチして、美容の未来に貢献していけたらいいなと思っています。

髪を美しく見せることを追求した「PRETOWA」 乗り越えた数々の壁

研究員 Fさん

つぎに、PRETOWAの開発を担当したベテラン研究員、Fさんにお話を聞きました。

Fさん 入社以来ずっとヘアカラー剤の開発を担当していますので、私にとっての“髪を美しく”と言えば、ヘアカラーによる色ツヤ表現ですね。ですが、ヘアカラー剤にはダメージや刺激臭といった課題も多いため、「きれいな髪色にしたいけれど不安も大きい」と言われることもあります。不安感を減らし、より美しいヘアカラーを楽しんでもらいたく、「もっと革新的で、髪に良く、髪が美しく見えるヘアカラー剤を創りたい」という想いがずっとありました。
ヘアカラー剤は、アルカリ環境をつくり、過酸化水素による酸化反応で髪を染めていくことで髪色を変えられるもの。髪色を変えるためのこの環境は、毛髪のダメージ要因になり、独特な刺激臭も発生しがちです。
ヘアカラー時にダメージした髪は、日々の洗髪などで毛髪内部のタンパク質や脂質、ヘアカラー剤の色味成分が流出しやすくなり、次第に、髪が弱くなりハリコシが低下する、うねりやパサつき感が出る、切れ毛が増える、褪色するなどの状態変化につながっていきます。

Fさん それに対して、これまでは、毛髪保護成分で手触りを良くすることや、刺激臭を感じにくくさせるための香料を工夫するといった対処が中心でした。「ヘアカラーと同時に毛髪を補修する、“髪に良い”ヘアカラー剤を創ること」が私の夢だったのですが、実は毛髪保護成分にとっても、ヘアカラー剤中の環境は過酷です。ヘアカラー剤は国のルールで使える成分が決められているので、たとえ髪に良さそうな成分でもそのまま自由に配合できるわけではないんです。より良いヘアカラー剤を創りたいという強い想いに対して、いつもさまざまな高い壁が立ちはだかってきます。
「すごくいい成分を見つけた!」と思っても、ヘアカラー剤に配合してみると、分離してしまったり、変色してしまったりしたこともあります。

実際に、PRETOWAの開発過程では、「もうすぐ完成」という段階で製剤の品質を保てないことが発覚し、ゼロからやり直したこともありました。

こうした厳しい条件のなか、幾多の検証を重ね、毛髪保護成分として「没食子酸プロピル」を選定するなどし、こだわりのPRETOWA処方を創り上げていきました。

没食子酸プロピルの粉末原料
PRETOWAに配合した毛髪保護成分のひとつ

美しさを拓くサロンカラー「PRETOWA」

その努力の結晶が、髪を美しく彩り、輝きを与える新しいサロンカラー「PRETOWA(プレトワ)」。
「美髪彩生*¹テクノロジー」が、染毛するたびに髪を美しく見せる効果を発揮。髪質や世代を問わず、誰もが髪の美しさを長期間にわたって楽しめるヘアカラーデザインを提供します。

*1 染毛により髪が美しく見えること

Fさん ヘアカラーでダメージしてしまうという「不安」、カラー直後の髪の美しさが長続きをしない「不満」、ヘアカラー剤特有のにおいを施術中や自宅でのシャンプー時に感じる「不快」を取り除くことにこだわりました。

なかでも今回、カラー直後の髪の美しさが長続きしないという「不満」に徹底的に向き合いました。

Fさん ヘアカラー剤は髪色を変えるためのものですから、発色にはかなりこだわりました。
色持ちについては、開発時に美容師さんから教えていただいた「自分が担当した1日だけではなく、次回来店までの関われない数ヶ月をきれいに保つことが大事だ」という考え方がベースになっています。

長期的な美しさを目指す美容師さんたちにどのようなヘアカラー剤を使用しているのかお聞きしたところ、多くの方が採用していたのが、ベージュ系のカラー。
定評のあるヘアカラー剤には、ある共通した特徴があることがわかりました。

Fさん 染料を大きく分けると、2つ結合する染料と、3つ結合する染料があります。美容師さんが採用していたベージュは、3つ結合する染料がメインで配合されている薬剤が多かったんです。
分子同士がより多く結合する染料は、大きな塊となり、髪から抜けにくくなる傾向があります。PRETOWAでは、そういった染料を土台にしつつ、その上に色味を重ねる設計を行っています。褪色してもベージュ系の色味に変化していくので、時間が経っても美しい色味を保ちやすい仕組みになっています。

ベージュ系をベースにした色相で、構造的に毛髪から流出しにくい性質を持つ緑褐色・黄褐色に発色する「ソフトトリマー*²」がベースとなるように設計。仕上がりから褪色過程までやわらかな髪色が楽しめます。

*2 三量体

※イメージ

ベージュ系をベースにしながらも色バリエーションは豊富に揃えられ、多彩な質感や彩度を表現可能に。個々のお好みに合わせたヘアカラーを自由にデザインすることができます。

さらに、今回の大きな特徴として挙げられるのが、「におい」に焦点を当てたこと。

Fさん カラー特有のツンとした刺激臭は、アンモニアというアルカリ成分によるものです。 このにおいは不快感だけでなく、「髪や頭皮に負担がかかっているのでは?」という心理的不安にもつながります。 そこで、アンモニアを使わずにカラーを成立させる方法を検討しました。 ただし、「代替となるアルカリ成分 *³」はアンモニアよりも浸透性が低く、従来と同じ発色を実現するのが難しいという課題がありました。

*3 MEA液 [pH 調整成分]

さらに、白髪や部位ごとのダメージ差、近年ではハイライトやダブルカラーの履歴があるなど、ひとりの毛髪でも素材の状態は均一ではありません。そのため、浸透性が異なり仕上がりにばらつきが生じやすくなってしまいます。

※イメージ
自社従来技術
素材によって浸透が変わる

これらの問題に対して開発されたのが、「キャリアリキッド*⁴処方」。成分の浸透をサポートする仕組みを組み合わせることで、においを抑えながらも、幅広い髪の素材に対して均一に美しく染めることを目指しました。

*4 BG [湿潤成分]

※イメージ

このように、お客様の悩みに本気で寄り添い、“髪を美しく見せる”ことにこだわりぬいた結果、着想から完成まで、約5年の歳月が費やされました。

瞬間だけではない、連続する美しさを

「PRETOWA」が目指したのは、カラー直後の美しさだけではなく、次回来店までの髪の印象も含めた“継続的な美しさ”。
施術を重ねるたび、実感できるのも嬉しいポイントです。

仕上がりの美しさが確認できます

さらに「PRETOWA」は、もっと先の未来も見据えています。

「ダメージや白髪が気になりはじめた……でもこれまでと同じようなオシャレなカラーを続けたい」

ダメージが気になる方、カラーを長く楽しみたい方、ブリーチやデザインカラーをする方、白髪やエイジングによる変化が気になり始めた方など、幅広い層に対応できるからこそ、あなたの美しさに永く伴走してくれる存在に。

永く寄り添えるサロンカラーになれるよう、という想いを製品に込めて

生涯にわたり、好きな色を楽しめる未来に

Fさん これまで、カラーをするためには仕方ないと諦められていた不安や不満、不快な気持ちを軽減、そして生涯楽しみ続けていただけるようなご提案が「PRETOWA」で叶えられるのではないかと思っています。

体験するたびに美しい髪へと導いてくれるサロンカラーは、いつまでも髪のおしゃれを楽しみたい人にとって、新しい選択肢のひとつとなりそうです。
幅広い髪質・年齢層の方に輝く色ツヤを与える「PRETOWA」を、ぜひサロンで体感してみてください。

取材・執筆 : 高橋あやな 写真:アガツマ