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髪色を変えた日に。ミルボン研究員に聞く、似合うリップの見つけ方と“印象”の研究

髪色を変えた日に、
「なんだか今日のメイクがしっくりこない」
「いつものリップなのに浮いて見える気がする」
そんな違和感を覚えたことはありませんか?

服もメイクもいつも通りなのに、なぜか顔全体が“なんとなく決まらない”。
実はその感覚、多くの方が経験しているものなのだそうです。

ミルボンでは、「髪色とリップカラーの組み合わせ」に着目した研究を実施。髪色によって、“バランス良く見えるリップ”には傾向があることが見えてきました。

今回は、そんな“髪色×リップカラー研究”について、研究員のMさんにお話を伺いました。
すぐに活用できる、髪色に合わせたリップの選び方もご紹介します!

研究員 Mさん

髪色を変えたら、メイクが合わなくなったように感じる理由とは?

ミルボンがヘアカラー経験のある一般女性を対象に行った調査では、ヘアカラーを変えた際に“メイクへの違和感”を感じた人は約85%。さらに、その半数近くが「特にリップカラーに違和感を覚えた」と回答したといいます。

Mさん 髪色は顔まわりの大きな面積を占め、明るさや色味もバリエーションが豊富です。おそらく、「ちょっと雰囲気を変えたいな」と思って変えてみた時でも、色の変化幅や影響度が大きく、メイクとのギャップを感じやすいのだと思います。
眉カラーに違和感を覚えるという声も多かったのですが、眉カラーはどちらかというと、髪色に合わせるとしっくり来やすく、比較的悩みにくいパーツです。その点、リップカラーは色の選択肢が本当に幅広いですし、髪色と同じ色味というものでもないので、悩みやすいのだと思います。

髪色とリップカラーの“バランス”は、どう決まる?

今回の研究では、
・色相(色味)
・明度(明るさ)
・彩度(鮮やかさ)
という“色の3要素”に着目。

6種類の髪色と4種類のリップカラーを組み合わせた24パターンの画像を作成し、一般女性に印象を評価してもらうアンケートを実施。
得られたデータをもとに、「どんな組み合わせが調和して見えるのか」を分析していきました。

本研究で用いたヘアカラー6色およびリップカラー4色の合成顔画像
生成AI(Microsoft Copilot)により作成

その結果、髪色は、
・個性を感じやすい髪色
・親しみやすさを感じやすい髪色
の2タイプに分かれる傾向があり、それぞれ“合うリップの方向性”が異なることがわかってきました。

Mさん もともとは眉カラーと同じように、ヘアカラーと色の系統を合わせるのが最もいいのでは? と予想していたのですが、それが当てはまるパターンと、当てはまらないパターンが見えてきました!

1. 個性を感じやすい髪色→リップも“近い色味”で合わせる

明るめのカラーや青み系カラーなど、髪色自体の個性が強い場合は、髪色と近い色味を持つリップを合わせることで、バランスが良く見える傾向がありました。

個性を感じやすい印象の明るめの黄み系カラーでは
ローズ(青み寄りの赤)よりもコーラル(黄み寄りの赤)のバランスが良好だった
個性を感じやすい印象の青み系カラーでは
コーラル(黄み寄りの赤)よりもローズ(青み寄りの赤)のバランスが良好だった

Mさん 髪色が目立つ分、リップにも強い印象があると、お互いの主張が強く、ちぐはぐな印象になってしまうんです。
たとえば黄み系の髪色なら、リップもコーラルなど黄み寄りに。青み系の髪色なら、ローズ系など青み寄りに。髪色とリップの“色味の方向性”をそろえることで、統一感が生まれます。

2. 親しみやすさを感じやすい髪色→リップは“少しずらす”

一方、肌なじみの良い暖色、ナチュラルなブラウンなど、比較的親しみやすい印象の髪色では、違う結果に。
ヘアカラー自体の印象が強くない場合は、リップまで完全に同系色でそろえるより、“少し色味をずらした方が、バランスの良い印象になる”という傾向が見られたそうです。

親しみやすさを感じやすい印象のナチュラルなブラウン系カラーでは
ブラウンよりもローズ(青み寄りの赤)のバランスが良好だった

Mさん 髪色が落ち着いているとき、リップまで控えめにしてしまうとぼやけやすいんです。少し色味を動かしてあげると主張が出て、印象が整いやすくなります。

Mさん 明るさについては、髪色とリップカラーを完全に合わせることは難しいのですが、明るい髪色にはリップも明るめに、暗い髪色には深みがある色を合わせると、よりまとまりがある印象になります。
ちなみに鮮やかさは、今回の研究ではそこまで影響を与えないという結果でした。そのため、ぜひ色味と明るさを軸に選んでみてください。

では、黒髪の場合はどのようにバランスを考えればよいのでしょうか。今回の検証範囲外ではありますが、そのヒントについて伺いました。

Mさん あくまで個人的な仮説ですが、黒髪は落ち着いた印象に見えやすいため、リップはちょっと目立たせてあげるとバランスがとりやすくなる可能性があると思います。
黒髪は、内部に存在するメラニン色素の影響により、赤みや黄みのニュアンスがわずかに感じられる場合があります。その場合は、例えばローズ系のようにやや青みを含む色を合わせることで、髪とのコントラストが生まれ、印象が良くなるケースもあるのではないでしょうか。

髪色は、リップの“1.5倍”印象に影響

ここまで、“髪色とリップのバランス”について伺ってきましたが、研究ではさらに一歩踏み込み、どんな印象を与えるのかという視点でも分析を行っていたそうです。

Mさん バランスのお話は、どちらかというと“印象を整える”考え方ですが、“私は個性的な雰囲気にしたい”といった、印象をつくっていくパターンも想定し、研究を進めました。
ヘアとリップ、どちらも印象に影響すると言われるなかで、どちらがより強く影響を与えるのか、組み合わせることで新しい印象が生まれるのか。そういった部分も見えてきたらと考えていました。

実際に分析してみると、リップカラーよりも髪色の方が1.5倍、印象に与える影響が大きいことが判明。そのうえで、リップカラーがニュアンスを少し変化させる、という傾向が見えてきました。

Mさん やっぱり面積も大きいですし、髪色のほうが印象への影響は大きいのだと思います。つまり、髪色を変えることで、印象を大きく変える“イメージチェンジ”が可能です。仮に髪色を変える頻度が2ヶ月程度だとしたら、その間は同じ印象が続くことになります。

一方で、リップの影響度も決して小さくはありません。『今日は会社だから落ち着いた印象にしたい』『今日はお出かけだからちょっと遊びを加えたい』といったように、リップカラーによって日々の印象に変化をつけることができる点も、今回見えてきました。
髪色が変わらない期間でも、リップによってニュアンスの変化を楽しめるんです。

「今日は落ち着いた印象にするため、ブラウン系のリップをセレクトしてみました!」とMさん

最近は、リップに少し“黒み”を足して、全体の印象を落ち着かせるような色選びをするのがちょっとしたマイブームです。たとえば、いつも使っているリップに少し黒みを重ねてブラウン寄りにすると、落ち着いた印象に変わります。こうしたほんの少しの色の調整による印象の変化を日々楽しんでいます。

Mさんが愛用するコーセーミルボンコスメティクス「im(アイエム)」
アイエム ジェリー オン
単色でも重ねても楽しめる、ベーシックカラーからニュアンスチェンジカラーまで含む10色展開

“髪色が印象の土台をつくり、リップでニュアンスを調整する”。
そんな新しいメイクの楽しみ方が、今回の研究から見えてきました。

美容師さんの提案力を支えたい、という想い

ところで今回はなぜ、「印象」についての研究に踏み出したのでしょうか。

Mさん この研究だけに限ったことではないのですが、ミルボンでは常に「美容師さんや、その先のお客様にどのように役に立つか?」を考えて研究開発にとりくんでいます。「美容師さんがどうやったらお客様に提案しやすくなるか」「美容室に来られたお客様の満足度につながることとは?」を考えて出てきた案が、この印象研究でした。

髪色を変える前のメイクのままだと、仕上がった髪色と合わなくなってしまうことは、実際の現場でもよくあるのではないか、と考えていました。
美容室で髪色を変えたときに「このヘアカラーだったら、こういったリップが合いますよ」と一言伝えられるだけで、お客様にとって役に立ちますし、お客様と美容師さんの信頼関係が築き上げられるきっかけになれたらという想いで研究を始めました。

さらにMさんは、この研究で「日本感性工学会優秀発表賞」を受賞。今後の活躍が期待されますね。

今後、ミルボンの印象研究は、どのように発展していくのでしょうか。

Mさん メイクとの掛け合わせだけではなく、美容師さんが創り出すヘアデザインの印象についても興味を持っています。

美容師さんが創り出すヘアデザインは、とても独創的で、その絶妙なバランスに思わず目が留まります。こうしたデザインがなぜ魅力的に映るのか、またどのような印象を生み出しているのかにも関心を持っています。こうした感覚的な魅力を学術的に捉え、その価値をお客様にもよりわかりやすく伝えられるような研究へと、今後さらに発展させていきたいです。

さらに、今回の調査では“髪色とメイクの違和感”だけではなく、肌印象に関する声も多く集まったそうです。

Mさん 最初に行った調査で、髪色を変えた際の“メイクへの違和感”を聞きましたが、『肌の色がちょっとくすんで見える』など、肌の印象について違和感を覚えたことがあるという方も結構いらっしゃいました。

髪色の変化だけではなく、年齢を重ねると肌が黄みを帯びてくる場合もありますし、若い頃に似合っていた髪色がしっくりこなくなることも。そんなお悩みなどにも今後向き合っていけたらと思っています。

美容室で、ぜひ“リップ相談”も!

Mさん 美容の国家資格って、美容師免許しかないんです。美容師さんはヘアカラーをはじめとした色の知識をたくさん持っていますし、髪色だけじゃなく顔全体の印象についても、きっとたくさん提案してくれると思うので、ぜひ美容のプロに、メイクについても相談してみてほしいです!

髪色に合わせてリップカラーも変えると、“なりたい印象”により近づけたり、さらなる変化を楽しめたり、可能性が広がる。
今回の研究から見えてきたのは、“髪色が印象の土台をつくり、リップカラーでニュアンスを調整する”という新しい視点でした。

次に美容室へ行ったときは、“なりたい印象”や、“リップカラーとの相性”も相談してみてくださいね!

取材・執筆 : 高橋あやな 写真:アガツマ